パールマネキンのクリエイティブに欠かせないクリエイターを紹介するインタビュー企画「クリエイティブの美学」。 今回は、パールマネキンでマネキン原型師として活躍する 米徳 健次(よねとく けんじ)を紹介します。

日本でも数少ないマネキン原型師という仕事。入社当初からマネキンをつくり続けてきた米徳の、クリエイティブの美学とは?

▲米徳 健次 / パールマネキン・マネキン原型師。美大や芸大出身者が多いマネキン原型師の中で、大学では化学専攻の理系出身という、業界でも異色の経歴を持つ。実は元々プラモデラー。

学生時代に百貨店へのマネキン・什器納品の夜間アルバイトをしていて、”マネキン”というものを初めて知りました。若い時から人と違うことがやりたくて、当時でも珍しいマネキンの業界への扉を開いた感じです。

最初は営業枠で入ったのですが、入社後研修していくうちに「マネキン原型師」というさらにまたこんなニッチな仕事があるのかと知って・・・経験も何もなかったんですが、自主製作した作品を目にとめていただき、入社当初には思ってもみなかったマネキン原型師としての道がスタートしたのです。

最初はマネキン制作のサポートをしながら、店舗向けのオブジェを作ってました。あと、展示会で “滝” をつくってくれと言われて、今思うと入社2、3年目のやつによく言ったなと思いますが(笑)・・・とにかくがむしゃらに取り組んだ印象深い案件です。

米徳思い出の「DE愛の滝」。現在はパールデポ東海流通センターの入口に移設されている。

マネキンを最初につくったのは、某アパレル様のオリジナルマネキンでした。ああでもないこうでもないと試行錯誤してなんとかカタチに出来て、終わった時は本当にホッとしました。その後も、アパレルのお客様とのコラボマネキンや、オリジナルマネキンをつくり続け、今に至ります。

私にとってクリエイティブとは、自分の世界に浸らずに、時代に求められるものであり、お客様に必要とされるものだと思います。人に見てもらいたい、自己満足ではなく、お客様に喜んでいただきたいという想いがあります。クリエイターって、周りに認められて初めてなれるものだと思います。

2003年 ジェニー
2003年 ジェニファー
2010年 マネキン展示会「魅惑のマドンナたち」
2014年 プロポーションA
2014年 Perle

お客様のニーズに応えて期待を超えるクラフトマンシップの源とは

仕事をする上で大切にしていることは何ですか?

求める人をイメージし、個人の作品にしないよう気を付けています。マネキンとは、人台。服を見せるための演出のツール。マネキンは常に名脇役なので、服を着て初めて作品になるのがマネキン。

モットーはありますか?

人と違うことをすること。あと”今”に囚われないこと。人と違う目線でものを見ること。 野球で言えば、 みんなが巨人好きって言ったら、巨人は嫌いっていうタイプですね(笑)

どんなところにやりがいを感じていますか?

自分の感覚と市場や依頼者のニーズとが一致し、みなが笑顔になった時。あのマネキンが入ってから店が流行ってる、と言われるととても喜びを感じます。

尊敬している・憧れの人を教えて下さい

ポジティブな人、失敗を恐れず前を見ている人。私が尊敬する人たちは、時代によって変わっていきますが、社内社外問わずそういう前向きな人を尊敬します。仕事上、考えることが多いので、悩んでしまった時にそういう人を見ると、ポジティブに生きる元気をもらえます。

影響を受けた本はありますか?

本屋で、見出しが気になった本はすぐ手に取ります。ニュートンなどのサイエンス誌や、プレジデントとかビジネス系とかも。気になったら、経理の本とかも読んじゃったり。「人間ができないと良い原型(マネキン)はできない」という師匠に言われた教えが今も自分の中にあって、好奇心は強いほうですね。

好きな空間を教えて下さい

銭湯。何にも考えずに、雑多な中でボーとするのが好き。

最近感銘を受けたできごとは何ですか?

最近、岐阜の21世紀公園にある「株杉の森」に行ったのですが、樹齢500年ほどの杉の古木に自然の雄大さと生命力を感じ、非常に感動しました。

株杉

岐阜県において一般的なスギと異なる特異な生え方をしたスギを指す名称。

「”株杉 “」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より。
今、注目していること・ひと・ものはありますか?

3D技術、5Gによる情報の流れの変化など、これから加速する技術進化に注目しています。それとともに変わる人の価値観の移り変わり、新しい文化に興味があるから・・・それを先取りして、形にするのが私たちの仕事だと思っています。

休日の過ごし方は?

町、山、川、観光地、常に人や物から、今そして未来を感じる為に、外に出ることが多いです。店舗や商業施設だけをリサーチするのではなく、人を見る。流行を追いかけるのでは遅いのが私たちの職業。これからのことは人を見ていた方がわかると思っていて、人間観察をしに出かけるのです。

今いちばんしたいことは何ですか?

今までに無いものを作り上げること。常にそう考えてます。こんなのがあったら・・・というお客様のニーズに応えて、期待を超えていきたい!


人の頭の中を覗く力が大切

私は理数系出身なのでかなり珍しい原型師でしょうね。何をもって美しいかを理屈で考えたいタイプ。

とてもニッチな業界であり、ニッチな職業ですが、ちょっと先の未来をみて、今までにない作品をつくっていくという非常にクリエイティブな仕事だと感じます。

マネキン原型師に必要なのは、人の頭の中がのぞけるかどうか。この人の頭の中の「かわいい」は何かを理解できる人。人によってみんな考え方が違うので、「かっこいい」「ワイルド」もいっぱいある。ある程度カタチにすることは誰でもできてしまうので、そういった一つに縛られない柔軟な対応力やお客様とのコミュニケーション力がとても大事な要素なんです。

そんな米徳のマネキン制作風景動画が、パールマネキンオフィシャルYouTubeで公開中!併せてご覧ください。